口臭が気になる…
原因はむし歯?歯周病?
それとも内臓の病気?

口臭の種類について

「マスクを外したとき、自分の口臭が気になる…」そんな経験はありませんか?
口臭は一時的なものもあれば、歯や身体の不調が原因のこともあります。
ここでは、口臭の主な原因についてご紹介します。

口臭にはどんなタイプがあるの?

一過性の口臭(食べ物・寝起きなど)

にんにくやアルコールなど特定の食品を摂取したあとや、起床直後に一時的に感じる口臭です。
時間の経過水分補給歯みがきで改善することが多いため、あまり心配はいりません。

生理的口臭(朝・空腹時・緊張時など)

誰にでも起こりうる自然な口臭です。
睡眠中や空腹時は唾液の分泌が減るため、口内の細菌が増えてにおいが出やすくなります。
また緊張やストレスによっても唾液の量が減り、口臭が強まることがあります。

病的口臭
(むし歯・歯周病・舌苔・全身疾患など)

むし歯や歯周病、舌苔の付着といった口腔内のトラブルによって発生する口臭です。
放置すると悪化する可能性があるため、歯科医院での診察・治療が必要になります。
場合によっては糖尿病肝臓病など、全身の病気が原因となるケースもあります。

心因性口臭(実際にはにおいがないケース)

周囲には口臭が感じられないのに、「自分は口がにおっている」と思い込んでしまう状態です。
心理的な要因が関係していることが多く、不安やストレスが悪循環を招くこともあります。

口臭の主な原因と特徴

口臭の背景にはさまざまな要因があります。
ここでは代表的な原因と、それぞれの特徴を見ていきましょう。

お口のにおい、
実は体からのサインかも

唾液の減少・口の乾燥
(ドライマウス)

唾液は、お口の中をきれいに保ち、細菌の増殖を抑える重要な役割を持っています。
しかし、加齢・ストレス・服用中の薬の副作用などによって唾液の分泌が減ると、口の中が乾燥しやすくなり、「ドライマウス(口腔乾燥症)」の状態になります。

唾液が減ると、口臭の原因となる細菌が増えやすくなり、ねばつきや口内炎などのトラブルにもつながります。

生活習慣・食事の影響

毎日の生活習慣や食事内容も、口臭と大きく関係しています。
不規則な生活口呼吸喫煙過度な飲酒偏った食事などは、口内環境の悪化を招き、においの原因になります。

特に口呼吸は、口の中を乾燥させて唾液の働きを妨げるため、注意が必要です。

全身疾患による口臭

お口の中に原因が見当たらない場合は、全身の病気が関係している口臭の可能性もあります。


例えば、

◆糖尿病甘酸っぱいようなにおい

◆肝臓病独特なアンモニア臭

◆胃腸の不調消化不良によるガスのにおい


など、体の状態によって特徴的な口臭が現れることがあります。

このような場合は、歯科での口腔ケアに加え、内科での検査・治療を受けることが大切です。

自宅でできる口臭対策

口臭が気になるときは、日常生活の中でできるセルフケアから取り入れてみましょう。
毎日のちょっとした工夫が、口臭予防につながります。

毎日のケアで、清潔で
心地よい息を保ちましょう

毎日のブラッシングと
舌ケアを丁寧にする

口臭予防の基本は、歯と舌の汚れをしっかり落とすことです。
歯と歯ぐきの境目、奥歯の溝にはプラーク(歯垢)が溜まりやすく、においの原因になります。
歯ブラシだけでなく、デンタルフロス歯間ブラシを使い、細かい部分まで丁寧にみがくことが大切です。
また、舌の表面にできる「舌苔」も強い口臭の一因です。
専用の舌ブラシを使って、優しく舌をなでるようにケアしましょう。
強くこすると粘膜を傷つけることがあるので注意が必要です。

唾液を増やして口を潤す

唾液には、口内を洗浄し細菌の繁殖を抑える働きがあります。
そのため、口の乾燥を防ぐことが口臭予防に直結します。
こまめな水分補給を心がけ、特に就寝前や起床後は意識的に水を飲むようにしましょう。
また、キシリトール入りガムを噛むと唾液分泌が促され、自然な口臭ケアにもつながります。
うがいで汚れを洗い流す習慣も効果的です。

生活習慣を整えて内側から予防

ストレス睡眠不足不規則な食生活は、唾液の分泌を減らし口臭を悪化させる原因になります。
規則正しい生活を心がけ、リラックスできる時間をとることで、身体のバランスが整い自然と口臭も軽減されます。
口臭ケアは“口の中だけ”の対策ではなく、体の状態を整えることも大切です。

歯科医院での治療とケア

口臭の原因が歯やお口の中にある場合、自宅のケアだけでは改善が難しいこともあります。
そのようなときは、歯科医院での専門的な治療や検査が有効です。

専門的なケアで、
原因からしっかり解決を

 

◆むし歯・歯周病の治療

むし歯の穴や歯周病による炎症は、強い口臭の原因となります。
適切な治療を行うことで、においの元を取り除き、再発予防にもつながります。

 

◆プロによる歯のクリーニング(PMTC)

毎日の歯みがきだけでは落としきれない歯垢や歯石を、歯科の専門器具で徹底的に除去します。
お口の中が清潔に保たれ、口臭の改善・予防に効果的です。

 

◆舌や粘膜の状態のチェック

舌苔口内炎粘膜の異常も口臭につながることがあります。
歯科医院では舌や粘膜の状態も確認し、必要に応じて適切な処置を行います。

 

◆唾液量・口腔環境の検査

唾液が十分に出ているか、口内の菌のバランスが崩れていないかを調べる検査もあります。
客観的に口臭の原因を特定することで、最適な治療プランを立てることが可能です。

当院の治療ポリシー

原因の特定から、最適なケアまで
一人ひとりに合わせて

口臭の原因は人によって異なります。
むし歯や歯周病、舌の汚れ、口の乾燥など、複数の要因が重なって起こることもあります。
当院では、まず丁寧な検査で「なぜ口臭が起きているのか」をしっかり見極めます。
そのうえで、生活習慣や体質、食事の傾向なども考慮し、一人ひとりに合った改善プランをご提案します。
無理のない方法で、続けやすく効果の高いケアを一緒に進めていきましょう。

治療後も安心のサポート体制と
相談しやすい環境

治療が終わっても、口臭を防ぐためには日常のケアや定期的なメンテナンスが欠かせません。
当院では、再発を防ぐための予防ケアや生活指導までしっかりサポートしています。
また、口臭はデリケートなお悩みだからこそ、プライバシーに配慮した空間でお話を伺っています。
「人には言いづらい」「相談しにくい」と感じている方でも安心してご来院ください。

治療の流れ

01 初診・カウンセリング

まずは現在のお悩みや気になることを丁寧にお伺いします。
口臭の感じ方や生活習慣なども、一緒に確認していきます。

02 お口の検査

むし歯・歯周病の有無、舌の状態、唾液の量などをチェックします。
必要に応じて口臭測定器や菌の検査を行い、原因を特定します。

03 診断とご説明

検査結果をもとに、口臭の主な原因や治療方法をわかりやすくご説明します。
不安や疑問があれば、この段階でしっかり解消しましょう。

04 治療・ケアの開始

むし歯や歯周病があれば治療を行い、舌苔や歯石は専門的なクリーニングで取り除きます。
あわせて、生活習慣やセルフケアのアドバイスもいたします。

05 定期的なメンテナンス

治療後も口臭を繰り返さないよう、定期検診やクリーニングで良い状態を維持していきます。

よくあるご質問

  • マウスウォッシュだけで口臭は防げますか?
    マウスウォッシュは口の中を一時的にさっぱりさせる効果はありますが、根本的な解決にはなりません。
    むし歯や歯周病、舌苔などが原因の場合は、マウスウォッシュだけでは改善できないため、歯科でのチェックや治療が必要です。
  • 朝の口臭は病気のサイン?
    朝起きたときの口臭は、多くの場合「生理的口臭」で心配いりません。
    睡眠中は唾液の分泌が減るため、細菌が増えて口臭が強まるのです。歯みがきや水分補給で改善します。
    ただし、強い口臭が続く場合はむし歯や歯周病の可能性もあるため、歯科医院で相談しましょう。
  • 内臓が原因の口臭はどう見分ければいいですか?
    歯や歯ぐき、舌などに異常がなく、歯科で問題が見つからない場合は内臓疾患が関係している可能性があります。
    糖尿病や肝臓・胃腸の病気などが口臭として現れることがあるため、歯科とあわせて内科の受診もおすすめします。
著者画像

著者:松野 大地

【経 歴】
平成12年 国立岡山大学 歯学部 卒業
平成12年 医療法人 湯川歯科医院 勤務
平成15年 医療法人 幸加会 スギモト歯科医院 勤務
平成17年 江口矯正歯科クリニック 非常勤 勤務
平成24年 松野歯科クリニック 開業

 

【所 属】

日本顎咬合学会 認定医
日本歯科医師会 会員
日本口腔インプラント学会 会員
日本歯周病学会 会員
JPIスタディグループ メンバー
関西インビザラインスタディクラブ メンバー

 

【受講経歴】
H17 Dr miyauchi Esthetic Prosthodontic Preparation course
H18 3i Implant basic course
H18 Japan Prosthetic Institute 咬合診断コース
H20 日本顎咬合学会 一般口演 「咬合高径の設定基準」
H21 日本顎咬合学会 認定医 取得
H23 Alphatite Implant basic course
H24 Osseo Skarp Institute advanced traninng course