
詰め物や差し歯が取れた!
そのままにしていい?
応急処置と治療法
詰め物や差し歯が取れる
主な原因
詰め物や差し歯は、治療後も日々の食事や噛む力、経年による劣化など、さまざまな影響を受けています。
ある日突然『ポロッと取れた』と感じても、実は少しずつトラブルの兆候が進んでいたことが多いです。
まずは、取れる原因を知ることが、再発を防ぐ第一歩になります。
詰め物や差し歯が
取れやすい人のチェックリスト
- 長く使っていて、治療から5年以上経っている
- 熱いもの・冷たいものをよく食べる
- 取れた部分の中が黒っぽい、痛みがある
- 歯ぐきが下がって、境目が見えるようになった
- 寝ているときに歯ぎしりをしている
- 古い治療や他院で入れたものをそのまま使っている
- 少しグラグラしていたけど、そのままにしていた
取れた詰め物や差し歯は、清潔に保管してなるべく早く歯科医院へ。
無理にはめ直したり、瞬間接着剤で固定したりすると、歯や歯ぐきを傷める原因になります。
原因を正しく診断し、再発を防ぐ治療を受けることが、歯を守るいちばんの近道です。
取れたまま放置すると
どうなる?
痛みがないからと放置してしまう方もいますが、そのままにすると虫歯の再発や歯の破折、歯ぐきの炎症などを招くことがあります。
時間が経つほど治療が複雑になり、最悪の場合は抜歯が必要になるケースもあります。
放置はNG!
深刻なトラブルの原因に
虫歯が進行して神経まで感染する
詰め物や差し歯が取れると、内部の歯がむき出しの状態になります。
その部分から細菌が入り込み、再び虫歯が広がっていく可能性があります。
進行すると歯の神経まで感染し、激しい痛みや腫れ、根管治療(歯の神経の治療)が必要になることもあります。
取れた部分に汚れや細菌が侵入する
取れた歯の表面はざらついており、食べかすやプラーク(歯垢)がたまりやすくなります。
細菌が繁殖すると、虫歯や歯ぐきの炎症を引き起こし、口臭の原因にもなることがあります。
毎日しっかり磨いていても、詰め物が取れた部分まではブラシが届きにくく、清潔を保つのは難しいものです。
差し歯の土台が折れる可能性
差し歯が外れた状態を放置すると、内部の土台部分(コア)に力が集中しやすくなります。
その結果、歯の根や土台が割れてしまうことがあります。
一度根が折れてしまうと、多くの場合は抜歯が必要となり、治療の選択肢が限られてしまいます。
噛み合わせのズレ・歯列の乱れ
詰め物や差し歯が取れたままにしておくと、周囲の歯が少しずつ動いて空いたスペースを埋めようとします。
これにより噛み合わせがずれたり、歯並びが乱れたりすることがあります。
一見小さな変化でも、長期間放置すると顎や他の歯に負担がかかり、さまざまな不調につながることがあります。
詰め物や差し歯が
取れたときの
正しい応急処置
詰め物や差し歯が取れてしまったとき、どう対処すればいいか迷ったことはありませんか?
ここでは、取れたときにまず行うべき正しい応急処置や、市販の仮止め剤の使い方、痛みへの対応まで、安全に対処するポイントをわかりやすく解説します。
取れたときに
まずやるべきこと
飲み込まないように保管する
取れたものは、できるだけ清潔に保管してください。
汚れがついている場合は軽く水でゆすぎ、清潔なティッシュや小さな容器に入れて乾燥を防ぐようにします。
そのまま持参すれば、状態によっては再利用できる場合もあります。
◆ポイント
「捨ててしまう前に、必ず歯科医院へ持参」するのが大切です。
市販の仮止め剤を使う場合の注意点
どうしても歯医者に行けない場合、一時的に市販の「詰め物・差し歯用仮止め剤」を使う方法もあります。
ただし、これはあくまで応急処置です。
使用後はできるだけ早く歯科医院で正式な処置を受けましょう。
また、仮止め剤を使う際は以下に注意してください。
・痛みや腫れがあるときは使わない
・詰め物を無理に押し込まない
・使用後は必ず歯科医に「仮止めをした」と伝える
痛みがあるときの対処法
痛みやしみる感じがある場合は、患部を冷やすと一時的に痛みが和らぎます。
冷たいタオルや保冷剤をハンカチで包み、頬の上からそっと当ててください。
また、市販の鎮痛剤(痛み止め)を用いるのも一つの方法です。
ただし、薬で痛みを抑えても根本的な治療にはならないため、できるだけ早めに受診しましょう。
やってはいけないこと
誤った対処は、かえって症状を悪化させることがあります。
次のような行動は避けてください。
・取れた詰め物を自分ではめ込む
・接着剤や瞬間接着剤で貼りつける
・痛む部分を強く磨く、触る
・放置して食事を続ける
・熱い・冷たいものを繰り返し口にする
当院での治療方法
詰め物や差し歯が取れてしまったら、応急処置の後は歯科医院での適切な対応が必要です。
ここでは、症状別にどのような治療が行われるのか、わかりやすくご紹介します。
歯科医院での正しい対応と
選べる治療
◆詰め物の再装着
取れた詰め物や差し歯が破損しておらず、内部の歯も健康な状態であれば、再度接着して使えることがあります。
再装着の前には、内部の汚れや古い接着剤を丁寧に取り除き、しっかり固定し直します。
正しく再装着すれば、再び長く使えることも多いです。

◆新しい詰め物・差し歯の作製
取れた詰め物が変形していたり、歯の形が変わっている場合は、新しい詰め物や差し歯を作り直すことになります。
型取りをしてピッタリ合うように製作し、見た目やかみ合わせも調整します。
素材は保険適用の金属やレジン(プラスチック)のほか、見た目が自然なセラミックなど、希望に合わせて選択できます。

◆虫歯治療や根管治療が必要な場合
詰め物の下で虫歯が再発している場合は、まず虫歯の部分を取り除き、必要に応じて根管治療(歯の神経の治療)を行います。
神経まで感染していると、放置すると痛みや腫れが強くなるため、早めの治療が大切です。
治療が終わったあとは、再発を防ぐために詰め物や被せ物でしっかりと歯を保護します。

◆土台が折れていた場合の対応
差し歯の土台(コア)や歯の根が折れている場合は、残念ながら再装着が難しいことがあります。
その場合は、抜歯を行い、その後の治療方法を相談しながら決めていきます。
主な選択肢としては、以下のような方法があります。
・ブリッジ:両隣の歯を支えに人工の歯を固定する方法
・インプラント:人工の歯根を埋め込み、自然な見た目と噛み心地を再現する方法
・入れ歯(部分義歯):取り外し可能で、比較的負担の少ない方法
それぞれの方法にはメリット・デメリットがあるため、歯科医と相談しながら最適な治療を選びましょう。
取れにくくするための
予防法
詰め物や差し歯も、日々の習慣やケア次第で長持ちが変わります。
ここでは外れにくくするための4つのポイントをご紹介します。
詰め物・差し歯を
長持ちさせるための
4つのポイント
定期検診・メンテナンス
詰め物や差し歯は、時間の経過とともに少しずつ劣化したり、歯との間にすき間ができることがあります。
定期的に歯科医院でチェックを受けることで、早い段階で劣化や虫歯の再発を発見し、修復できる可能性が高まります。
3〜6か月に一度の検診とクリーニングを習慣にしましょう。
かみ合わせの調整
歯は少しずつ動くため、治療後に噛み合わせが変化することがあります。
噛み合わせのバランスが崩れると、特定の歯に力が集中し、詰め物や差し歯が外れやすくなります。
定期的に歯科医院で噛み合わせの確認や微調整を行うことで、歯への負担を減らし、トラブルを防ぐことができます。
ナイトガード(歯ぎしり対策)
寝ている間の歯ぎしりや食いしばりは、歯や詰め物に強い力をかけてしまうため、破損や脱落の原因になります。
歯科医院で作るナイトガード(マウスピース)を装着することで、歯を保護し、衝撃をやわらげることができます。
歯ぎしりの自覚がない方でも、歯のすり減りや朝のあごの疲れを感じる方は、一度相談してみましょう。
食習慣・歯磨き習慣の見直し
硬いものを無理に噛んだり、甘いものを頻繁に食べる習慣は、詰め物の劣化や虫歯再発の原因になります。
また、歯と詰め物の境目は汚れがたまりやすいため、丁寧なブラッシングとデンタルフロスの活用が欠かせません。
食後はなるべく早く歯を磨き、就寝前はとくに丁寧にケアを行いましょう。
よくあるご質問
- 取れた詰め物を自分でつけ直しても大丈夫ですか?絶対にやめましょう。市販の接着剤などを使って自分で戻すと、細菌が入り込んだまま密閉してしまい、感染や虫歯の悪化につながる恐れがあります。
また、誤って飲み込んでしまう危険もあります。
取れた詰め物は清潔な容器に保管し、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。 - 痛みがなくても歯医者に行くべきですか?痛みがなくても受診をおすすめします。
詰め物が取れた部分は、見えないところで虫歯が進行していたり、汚れや細菌が入り込んでいることがあります。
放置してしまうと、神経まで感染が広がる場合もあるため、「痛くない=大丈夫」ではありません。 - 詰め物が取れたまま放置すると、どれくらいで悪化しますか?個人差はありますが、数日〜数週間のうちに虫歯が進行するケースもあります。
特に歯の中が露出している場合、細菌の侵入が早く、再治療の範囲が広がることもあります。
早めに歯科医院を受診することで、治療も最小限で済む可能性が高まります。

著者:松野 大地
【経 歴】
平成12年 国立岡山大学 歯学部 卒業
平成12年 医療法人 湯川歯科医院 勤務
平成15年 医療法人 幸加会 スギモト歯科医院 勤務
平成17年 江口矯正歯科クリニック 非常勤 勤務
平成24年 松野歯科クリニック 開業
【所 属】
日本顎咬合学会 認定医
日本歯科医師会 会員
日本口腔インプラント学会 会員
日本歯周病学会 会員
JPIスタディグループ メンバー
関西インビザラインスタディクラブ メンバー
【受講経歴】
H17 Dr miyauchi Esthetic Prosthodontic Preparation course
H18 3i Implant basic course
H18 Japan Prosthetic Institute 咬合診断コース
H20 日本顎咬合学会 一般口演 「咬合高径の設定基準」
H21 日本顎咬合学会 認定医 取得
H23 Alphatite Implant basic course
H24 Osseo Skarp Institute advanced traninng course
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